簿記を勉強を始めたばかりの人はこういう悩みがないですか。
簿記初心者の悩み
- 仕訳が分からない
- 借方(左)と貸方(右)のどちらに勘定科目を書けばいいか分からない
- 何かコツがないの?
簿記初心者で「仕訳がよく分からないよ~」という人向けに、私が「こう考えると仕訳が解きやすくなった」方法を紹介したいと思います。
Contents
【簿記3級仕訳のコツ】勘定科目の借方と貸方が分からない時の解き方
勘定科目の借方(右)と貸方(左)が分からない時の解き方のコツを紹介します。
簿記3級仕訳のコツ
お金の流れで仕訳を考える
いきなりですが
まずは、下のポイントを覚えてください。
ポイント
お金が入ってくる時は「左」 / お金が出ていく時は「右」
お金とは、現金・普通預金・当座預金・現金として扱う通貨証券 などのことだよ。
上のポイントが重要なので、ここで完全に覚えてしまってください。
3回くらい口に出して言ってみましょう。
覚えましたか?
時間はかかるかもしれませんが
これをヒントに、仕訳を導き出せるようになります。
では、実際に仕訳の例題を出しながらを解き方のコツを説明していきますね。
仕訳 例題1
現金で仕入をして2,000円払った。
問題文から、勘定科目として「現金」と「仕入」を書くというのは分かるけど
右と左のどちらに書くの?ってなりますよね。
ここで、最初に覚えてもらったポイント
お金が入ってくる時は「左」 / お金が出ていく時は「右」をあてはめます。
例題1では、お金を2,000円払っている → お金が出ていく → 「右」
つまり、「現金」が「右側」にきます。
○○○ / 現金 2,000
そうすると、自動的に 「仕入」 は 「左」に記入することになります。
完成した仕訳は
例題1の答え
仕入 2,000 / 現金 2,000
それでは、次の仕訳にいきましょう。
仕訳 例題2
普通預金に利息50円が入金された。
勘定科目は「普通預金」と「受取利息」を使います。
あなたも、先ほどのポイントを踏まえて考えてみて下さいね。
お金が入ってくる時は「左」 / お金が出ていく時は「右」
では、あてはめてみましょう。
今回は、入金されたとあるので、お金が入ってきています。
普通預金にお金が入ってきているので「左」に普通預金がきます。
普通預金 50 / 〇〇〇
残りの「受取利息」は自動的に右になるので仕訳は
例題2の答え
普通預金 50 / 受取利息 50
どうでしょう。なんとなく要領がつかめたのでは?
それでは、簡単な練習問題を実際に解いてみて下さい。
勘定科目は次のどれかを使ってくださいね。ポイントを思い出して解いてみましょう。
受取手形・売掛金・現金・通信費・当座預金
練習問題1
売掛金10,000円の入金が当座預金にあった。
練習問題2
切手を現金で120円分購入した。
練習問題3
受取手形の期日が到来し、150,000円が普通預金に入金された。
練習問題4
受取った小切手3,000円を普通預金に入金した。
練習問題 答え
- 当座預金 10,000 / 売掛金 10,000
- 通信費 120 / 現金 120
- 普通預金 150,000 / 受取手形 150,000
- 普通預金 3,000 / 現金 3,000
解説
- お金が入ってきているので「左」に当座預金が入ります。
- お金が出ていっているので、「右」に現金が入ります。
- お金の入金があるので、「左」に普通預金が入ります。
- 小切手は自分(の会社)で振出す際は、当座預金勘定が減りますが
他人振出の小切手を受け取った時は、現金として扱います。
現金を普通預金に入金したことになるので、現金が出て行ったと考え、現金が「右」に入ります。
もしくは普通預金にお金が入ってきているので、「左」に普通預金と考えてもいいです。
お金の流れを考えたら、解けますね。
ここまで理解できたら、もう少し応用をきかせていきますよ。
次は、実務でよく発生するので、流れで覚えた方がいい仕訳です。
お金の流れで覚えた方がいい仕訳
会社の多くは、仕入れをして物を売っています。
仕入れをした時に買掛金が発生し、翌月に買掛金を払ったり、売り上げを上げた時に売掛金が発生し
後で売掛金を回収したりなど、この時に必ず発生する仕訳なので流れで覚えてしまいましょう。
仕訳 例題3
売上70,000円を掛けとした。
「売上」と「売掛金」が勘定科目になるのはわかるけど、右と左のどちらに書くのか分からないとなった人でも大丈夫です。
コツを教えますね。
ポイント
お金が入ってくる所から、逆に考えてみましょう。
まず最終的な段階の、「売掛金」が「現金」で入ってくると考えてみましょう。
お金の「現金」が入ってくる時は 「左」 なので
売掛金が現金で入る時
現金 70,000 / 売掛金 70,000
「現金」が入ってくる時は「現金」が「左」なので、売掛金が「右」になりますが、
「売上」がたって「売掛金」が発生した時は、「売掛金」は現金が入ってくる時とは逆なので「左」に計上されます。
売上がたった時の売掛金は入金時の反対側の「左」
売掛金 70,000 / 売上 70,000
①売上を売掛金とした | 売掛金 / 売上 |
②売掛金を受けとる時 | 現金・普通預金・当座預金・受取手形・電子記録債権 など / 売掛金 |
③受取手形等の期日を迎えて入金があった | 普通預金・当座預金 など / 受取手形・電子記録債権 など |
受取手形と電子記録債権で売掛金を受け取った場合のみ③の仕訳が発生します。
売掛金のお金の流れは、②か③の逆から考えてみましょう。ポイントはお金が入ってくる時は「左」を忘れずに!
続いて、次も流れで覚えた方がいいものです。
仕訳 例題4
支払手形で、買掛金 200,000円を支払った。
この例題もお金の流れをヒントに考えてみましょう。
ポイント
お金を払う所から、逆に考えてみましょう。
「買掛金」を最終的に「現金」で支払ったと考えてみます。まずこの仕訳をしてみます。
「現金」で支払うので、お金が出ていきますね。お金が出ていく時は「右」なので
「現金」は「右」になり、「買掛金」は「左」ですね。
買掛金を現金で支払う時
買掛金 200,000 / 現金 200,000
例題4の問題は「支払手形」で支払ったので「現金」の場所に「支払手形」を置き換えます。
買掛金を支払手形で支払う時
買掛金 200,000 / 支払手形 200,000
ちなみに、支払手形が期日を迎える時はお金が出ていくので仕訳は
支払手形が期日を迎える時
支払手形 200,000 / 当座預金 200,000
手形・小切手を振り出す場合は、金融機関と当座勘定項目を開設しなければなりません。
そのため、小切手や手形を振り出し、引き落としされる時は当座預金から引き落としされます。
「買掛金」の流れに戻ります。
「買掛金」を「現金」で支払った時は、「買掛金」は「左」ですね。
「仕入」をして「買掛金」が発生した時は支払う時の逆側になるので「買掛金」は「右」になります。
仕入をして買掛金が発生する時
仕入 200,000 / 買掛金 200,000
①仕入を買掛とした | 仕入 / 買掛金 |
②買掛金を支払った | 買掛金 / 現金・普通預金・当座預金・支払手形・電子記録債務など |
③支払手形・電子記録債務が決済された | 支払手形 / 当座預金 or 電子記録債務 / 当座預金・普通預金 |
③の仕訳が発生するのは、支払手形、電子記録債務で支払った時のみです。
「買掛金」の仕訳に迷ったら、お金を払う所から逆に考えてみてくださいね。
資産・負債・純資産・費用・収益の右と左(借方と貸方)が分からない時のヒント
勘定科目が、「資産」・「負債」・「純資産」・「費用」・「収益」のどれに属するのか
最初からすべて覚えるのは無理なので、自分になじみがあって覚えやすい代表的な勘定科目から覚えましょう。
まずは、それぞれの属性の代表的な勘定科目を1つだけでも覚えたら、その属性の勘定科目が増減する時
借方(右)に書くのか、貸方(左)に書くのか仕訳を考えるヒントになります。
例えば、「預り金」は「負債」のグループに属しますが「預り金」が減る時、右と左のどちらに書けばいいのか迷ったとします。
「買掛金」が「負債」と覚えておけば、「買掛金」を「現金」で支払ったという「買掛金」が減る時の仕訳を考えてみます。
買掛金を現金で支払う時の仕訳
買掛金 / 現金
この仕訳は「買掛金」つまり「負債」が減る時は「左」に計上すればいいので
同じ負債グループ属性の「預り金」が減る時の仕訳も「左」に記載すればいいと導けます。
分からなくなった時は、現金を相手に仕訳を考えてみて、お金の流れをヒントにしよう。
お金を払ったり、入金があったところから逆に考えてみてね。
グループ属性 | 覚えやすい勘定科目 | 考えるヒント | 現金の仕訳場所 | 仕訳 | 増加 | 減少 |
---|---|---|---|---|---|---|
資産 | 現金 | 売掛金の入金が現金であった | 入ってきたので左 | 現金/売掛金 | 左(借) | 右(貸) |
負債 | 買掛金 ・ 借入金 | 借入金を現金で支払う | 出ていくので右 | 借入金/現金 | 右(貸) | 左(借) |
純資産 | 資本金 | 増資し、現金で入金があった | 入ってきたので左 | 現金/資本金 | 右(貸) | 左(借) |
費用 | 水道光熱費 | 現金で電気代を支払った | 出ていくので右 | 水道光熱費/現金 | 左(借) | 右(貸) |
収益 | 受取利息・受取配当金 | 受取配当金を現金で受け取った | 入ってきたので左 | 現金/受取配当金 | 右(貸) | 左(借) |
これ以外の勘定科目は、できるだけ多く仕訳問題を解いて慣れながら、徐々に覚えていけばいいです。
「簿記は仕訳に始まり、仕分けに終わる」と言われます。
仕訳をお金の流れで意識して、解くと覚えやすいです。
迷ったら、お金が入ってくる時は「左」/ お金が出ていく時は「右」を思い出してください。
問題を解いた後、「資産」・「負債」・「純資産」・「費用」・「収益」のどの属性なのかも確認するようにしましょう。
勘定科目が5つの属性のどれに分類されるのかがわかるようになると、理解が深まるよ!
まとめ
簿記3級の仕訳のコツ、勘定科目の借方(右)と貸方(左)が分からない時は
簿記3級の仕訳のコツ
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